電気自動車普及にむけて世間は着々と進んでいるという話
今週も、EV(電気自動車)の普及に向けての動きがいろいろと報道されていましたね。
1.給油所でEV充電
経済産業省はガソリンスタンドでEV向けの電気、FCV(燃料電池自動車)向けの水素を供給できるよう、規制緩和の検討に入るそうです。(日経)
スケジュールは業界団体や有識者を集めて意見を聞いて、2018年5月までに方向性を出し、早ければ2019年には規制緩和に踏み切りたい考え。
(素案)
① EVやFCVの燃料供給は給油スペースから10m以上離れた位置
→ 給油スペースに併設可能に
② コンビニや物流拠点の設置を原則禁止
→ 設置を許可
③ 1名以上は必ず常駐
→ 完全無人化を可能に
④ タンクは地下に設置
→ 地上設置も許可
面白いのは①と②ですね!
これまでどうしてガソリンスタンドにEV充電スペースが無いのか疑問で、きっと経済合理性の問題だと考えていたのですが、実は国の規制の問題があったんですね・・・。①の項目で初めて知りました。でもこれは、安全面の検証さえできれば、今の静電気防止技術ならすぐに導入できそう。
②はきっと昔のガソリンスタンド保護政策の名残でしょうね・・・。昔(昭和ぐらい?)はガソリンスタンドでも飲み物なんかが売っていたので、コンビニとばっちり競合していたのですが、もうガソリンスタンドで休憩したり飲み物を飲んだりすることはなくなりましたからねー。
この規制がなくなれば、ガソリンスタンドとコンビニがコラボできて、収益性もあがりそう。
コンビニに車を止めて、買い物している間にEVをクィック充電、支払いはnanacoカードで・・・みたいな未来が見えますね。
2.レアアース使用減 モーター向け新磁石 開発成功
トヨタでレアアース(希土類)を半減させた新しい磁石の開発に成功。量産化はこれからのようですが、先を見据えた試みですね。
どういうことかと言うと。
そもそも、モーターは思いっきり簡単に言うと、コイルと磁石で構成されています。そしてモーター向けのような高性能な磁石は、レアアースを加えて作られています。ネオジムやジスプロシウムのようなレアアースを磁石成分に加えることで、過酷な環境下でも強磁力を保つことができる良い磁石ができるわけです。
このレアアースは需要によって変動しますが、結構高価です。2011-2012年ではレアアース市場を独占していた中国が、供給を絞って外交戦略の一環に取り入れたため、価格が暴騰する事件もありました。
その頃からレアアースの供給の多角化、各企業はレアアースの利用削減に取り組んで来ましたが、電気自動車の時代になればモーターがさらに使われ、レアアースの価格が上昇するシナリオは容易に想定できます。単なるコストダウン効果だけでなく、レアアース供給対策にもなる、一石二鳥の開発ですね。
3.無線給電システム
TDKが自動車メーカーと無線給電システムを共同開発するそうです。まあ無線給電システムを開発しているのはTDKだけではないですどもね。確か財閥系のどこかもやっていたはずです。
スマホでは既に製品化されている無線給電。EVに給電するとなると、供給する電気の量が違いますから、量産化までの道のりは長いですね。
電線を使わずに電気を送るなんて言うと夢物語のようですが、理論提唱の歴史は古く、19世紀末には無線送電の原理は示されていました。
示したのはニコラ・テスラという旧オーストリア帝国に生まれ発明家です。この人はあのGMのエジソンのライバルとして有名だった人です。二人の争いの象徴である直流・交流の電流戦争の経緯を眺めると、ニコラ・テスラはただの天才でしたが、エジソンはビジネスマンとしての貪欲なしたたかさが際立ちますよね…それはさておき。
無線給電ができるようになれば、車を止めるだけで充電できるようになり、充電プラグの抜き差しが不要になって、とても便利になりそうですね。
自宅はもちろん、充電装置付きのコインパーキングなんておもしろそうです。最寄りの決済機械にカードを通すと、充電が始まるなんて未来は便利そうです。
本日も当ブログにお越しいただきありがとうございました。
2017年くらいから時代の流れがぐっと早まったのを感じています。未来っぽい記事を増やしていこうと思います。