読み耽り書き散らすのが理想の生活

ネット的世界の端っこで考えたことを書き留めているだけのブログ。

コインチェック ハッキング騒動 Δ5 3/22 LSK, FCT通貨出金可能に 

国内で人気のある仮想通貨取引所コインチェックCoinCheck)にハッキング被害がありました。総額は5億2300万XEM(580億円相当)、過去最大級のハッキング事件です。金融庁はセキュリティの甘さを指摘、業務改善命令を出す予定。

 

 

概要

 

総額: 5億2300万XEM(580億円相当)
保有者数:約26万人
補償方法:NEM保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金
補償金額:88.549円×保有

ハッキング発覚 1/26。同日記者会見。解決方針発表1/28。スピード解決。

 

 

経緯

 

問題解決にあたっては、Twitterでいろいろ意見が出ましたね。具体的な解決策を出す仮想通貨界隈のメインプレイヤーたちと、批判だけをする人たちと見事に分かれていたのが印象深かったです。

 

 

 

 

今後

 

ハックの原因追求と再発防止までに多少時間がかかると思いますが、コインチェック金融庁や警視庁とうまく連携して、営業を続けていってもらいたいと思いますし、実際そうなっていくと楽観しています。

 一部のマスコミではやはり無理解に起因する変更報道が出ていますが、これはいつものことだとスルーして、できることを淡々とやっていくことでしょうかね……。

 最後に、1月13日付けの日経に出ていた麻生太郎財務・金融相のお言葉を引用して終わりたいと思います。本日も当ブログにお越しいただきありがとうございました。

 

(韓国政府が仮想通貨取引所の閉鎖方針を出したことで若者が猛反発した事件に関連して)

ビットコインなどの仮想通貨について「何でもかんでも規制すればいいとは思わない」「利用者保護とイノベーションのバランスを注意しながらやっていかなければならない」(麻生太郎 財務・金融相)

 

 

 

 (1/29 20:10 追記)

 

1/29午後 金融庁の処分が発表され、記者会見が行われました。業務停止命令は出ず、コインチェックはセキュリティの体制や再発防止など、金融庁に報告しながら業務を進める見通し。

 

補償のため 500億円弱を支払うことになっても、外部から確認して資金繰りが問題ないとされたことは素直にすごい……。400億円あればスカイツリーがひとつ建てられるらしいですよ。

 

 

 (Δ1 2/3 19:50 追記)

 

2/3にコインチェックより出金再開の見通しについてアナウンスあり。

 

お客様がアカウントに保有している日本円につきましては、金融機関の顧客専用口座に保全されております。

・お客様がアカウントに保有している仮想通貨(BTC/ETH/ETC/LSK/FCT/XMR/REP/XRP/ZEC/LTC/DASH/BCH)につきましても、ホットウォレットから退避し、コールドウォレット等に保管しております。

 

2/2(金) の金融庁による立ち入り検査後のアナウンスなので、信頼性が高い内容とみられます。「本当に返金する資金があるのか?」「自己資金と顧客預かり資産を一緒に管理しているのではないか?」「空売りしているのではないか?」などの疑問へのシンプルな回答となっています。よかったですね。

 

日本経済新聞によると、12月のコインチェックの仮想通貨の取扱高は(ビットコインだけで?)3.2兆円だったそうです。うち1%が収益になると仮定したら320億円です。すさまじいですね。自分の頭にある常識というものをアップデートしないと生きていけないと感じます。

 

 

(Δ2 2/10 9:45 追記)

 

公式から発表があり、JPY出金は2/13からとのこと。

他コイン類は追って連絡。金融庁コインチェックが再発防止策提出し、その許可を得てから、という段取りになっている匂いがします。

 

ちなみに、NEMの補償金支払いについてはまだ未定。

 

 

 

 解決に向けて、着実に前に進んでいる感じがします。当事者たちにとっては怒涛の2週間だったんでしょうね。おつかれさまです。

 

 (Δ3 3/11 23:30追記)

3/8公式から発表があり、補償の目処に時期がついたとのこと。発表時点で来週とのことなので3/23が目処でしょうか。

これまでの批判や風評にも負けず、事業継続の強い意志が示されています。

 

(2)NEMの補償について
当社は、不正に送金されたNEM保有していたお客様に対する補償について、来週中を目途に実施いたします。詳細に関しましては、当社コーポレートサイト等で随時お知らせをいたします。
(略)
7:今後の当社の事業継続について
当社は、今後も、一時停止中のサービスの再開に向けて全力を挙げて取り組むとともに、金融庁への仮想通貨交換業者の登録に向けた取組みも継続し、事業を継続してまいります。

 

なおほぼ同時期に米SEOが仮想通貨を規制する(詳細未定)方針を出し、仮想通貨全般が下落中。Coincheckの再開は本来強いアゲ要因なんですけれど、これは仕方ない。

 

 

 

 

Δ4 3/12 20:00追記 

 

ようやくCoincheckに再起動かかりつつある。なんだかんだ言っても古参取引所なので、影響は大きそう。よかったですね。

 

再開日時:2018年3月12日(順次)
再開機能:一部仮想通貨の出金、売却(入金、購入は対象外となります)
出金再開対象仮想通貨:ETH、ETC、XRP、LTC、BCH、BTC
売却再開対象仮想通貨:ETH、ETC、XRP、LTC、BCH

  

 

 

ついでにこんなニュース。  

 

中華系大手取引所のBinanceがつい先日ハッキング未遂にあったのですが、その犯人を挙げるために懸賞金をかけたという話。やられたらやり返す。一見野蛮なようで、一番の抑止対策ですよね。業界としての自衛にもなるし、しっかりしていますね。

 

Δ5 3/24 22:20追記 

G20とか、金融庁がバイナンスに喧嘩を売るとか、盗難NEMの追跡が終了するとか、いろいろあった週ですが、Coincheckでも動きがありました。

 

LSK、FCTの出金と売却再開。なお、匿名通貨系のXMR、ZEC、DASHはこのままお蔵入りになりそうだとの報道。

 

あとブログに書いていませんでしたが、NEMの補償が実施されました。先週でしたね。これでCoincheckもケジメをつけたことになります。500億円あればスカイツリー金閣寺が建てられるっていう話ですよ。なお、予告通りの補償金額で、当日の相場よりも高額な単価での補償でした。

 

補償日時:2018年3月12日中
補償金額:88.549円 × 日本時間2018年1月26日 23:59:59時点での保有
補償対象:日本時間2018年1月26日 23:59:59時点でNEM保有していたお客様

 参考:3月12日NEM価格(終値) XEM=41.26円

 

 

 

【 羊飼いの暮らし 】

 

詩人ワーズワースとその仲間たちが ”作り出した”した湖水地方

 

イングランドの北西部にあるその地域は、緑の渓谷に沿いに大小いくつもの湖が点在する美しい場所として有名で、地域全体が国立公園として指定されているとともに、世界遺産としても登録されている。

 

その地域ではローマ時代の昔から羊の牧畜が行われており、昔ながらの生活というだけでなく、文化的にも価値のある風景の一部として評価されている。

 

21世紀の今も羊飼いという職業が現存している。その日常を書いた本が、2015年、ニューヨーク・タイムズでベストセラーになった。著者はジェイムズ・リーバンクスさん。現役の羊飼いにして、オックスフォード大学を卒業した変わりだねだ。その日本語訳が発表されている。

 

 

始まりも終わりもない。毎日、太陽が昇って沈み、季節が移り変わる。陽の光、雨、霰、風、雪、霜とともに、日、月、年が過ぎていく。木の葉は秋に散り、春になるとまた青々と茂る。・・・(中略)・・・私たちはみんな、永続的ななにか、強固で、現実的で、真実に感じられる何かのほんの小さな欠片だ。農場を中心とした暮らし方は、5000年以上前からこの大地に根付いてきた。

 

絵画のような風景と詩的な出来事でつくられていそうな世界でも、動物相手の仕事は1年365日24時間、気が休まることがない。

 

スマートフォンが発明されても基本的なことは変わらない。経験とともに身につく知識と技術がすべてで、肉体的にも精神的にもタフじゃなければやっていけない。その上、羊飼いは金銭的に恵まれている職業でもない。

 

それでも羊飼いという職業を選ぶのは、「自分の人生をどう生きるのか」という問いの答えだからじゃないか。読み終わってそう思いました。

 

 

仕事で忙しい毎日を過ごしていて、何かを忘れて来てしまっているんじゃないか……と感じているような人に読んでもらいたい本です。

 

 

 

 

 

 

 

 

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございました。

ブログも正月モードを抜けてぼちぼち再開しようかと思います。

動物のリアルに立ち向かう話を読むと、銀の匙とか思い出しますね。

 

 

 

 

 

 

帰郷

年末年始、わたしも人並みに帰郷していました。

 

こたつに入る食っちゃ寝ごろごろ、最高の三ヶ日でした。

 

そんな幸せな気分で初詣。

 

寝て祈って日々が過ぎる。生産性なんて何もないけれども、溶けるほどだらだら出来てとても幸福でした。1年のうちにこんな時間があるから、また頑張れるような気がしています。

 

まだお屠蘇気分で問題意識が吹っ飛んでしまって、何も書けませんけれど、弓の弦もときどき緩めるものですからね。2018年もまだ8日目、今年はふんわかと進めていきます。

 

 

 

仮想通貨が招く「未来の社会」 Δ1(1/29)

2017年、仮想通貨ビットコインが市民権を持った年となりました。世界の仮想通貨全体の時価総額は2017年1月時点で200億ドル程度だったものが、11月時点で2000億ドルを超えました。

 

仮想通貨については、価格や技術が多く取り沙汰されていますが、仮想通貨は、今後どのように社会で使われていくのでしょうか。

 

多くの言説は、仮想通貨はいつかドルや円のような法定通貨の代替品になると考えているか、もしくは、仮想通貨をただの投機対象として考えていると思います。しかし、わたしの考えは少し違います。

 

結論から入ることを許してもらえるならば、法定通貨と仮想通貨は両立し共存する社会になるとわたしは考えています。法定通貨はそのまま残り、法定通貨の枠内の中で、仮想通貨を使ういくつもの緩やかなコミュニティが出来上がると想像しています。

 

図にしてみれば、下記のような世界です。

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法定通貨が緩やかにこれまでの経済圏を維持するなかで、それぞれのコミュニティに特化した仮想通貨が適用され、コミュニティの結束の強化に貢献します。

 

例 

 

イメージが湧きにくいかも知れません。いくつか例を出しましょう。たとえば、あなたはメルカリで売買しているとします。押し入れにしまってあったバッグを出品し、通常日本円で支払いを受けます。でもこれが海外、アメリカとの取引と仮定してみましょう(いまのところありえませんが)。あなたはドルで支払いをされたら困るはずです。ドルは日本で使えませんし、円に変えれば目減りするからです。しかしここで仮想通貨で支払いを受けたら、問題は解消します。受け取った仮想通貨はそのまま別の何かに使うことができます。

 

もうひとつ例を出しましょう。東南アジア諸国の日本人同好会があるとします。会員は例えばタイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールなどに駐在しています。シンガポールに住んでいるAさんが東南アジア情報誌か何かを電子書籍を発刊したとします。同好の士で共有したいがそれなりに費用がかかっているので、販売することにしました。このときに共通する通貨があったら便利ですよね。東南アジア域内を統合するほどで無くてもいい。数十人の同好の士で共有できる通貨があればいい。そんなときに仮想通貨が使えれば便利でしょうね。

 

特徴的な機能を持つ仮想通貨「アルトコイン」

 

ビットコイン以外の仮想通貨を、アルトコインといいます。草コインと呼ばれるようなプロジェクトの実態がないようなものを含めて、1000種類以上のものがあると言われます。

それぞれのアルトコインには、機能上の特徴があり、無事プロジェクトが成功したアルトコインは、その特徴にあったコミュニティに適用されていくと考えられます。

 

一部のアルトコインには、「通貨」という役割の他に、「何らかの付加機能」がつけられています。この「何らかの付加機能」が、コミュニティの特徴を促進する、ということです。

 

 

もっとも開発目的がわかりやすく、かつプロジェクトが具体的になっているアルトコインとして、リップル(Ripple, XRP)というコインがあります。

 

このコインは「送金の利便性」に特化しています。リップルを使うことで、送金時間の短縮と、手数料の削減を狙い、ブリッジ通貨に徹しています。

 

このリップルというコインがうまくいった場合は、「大量の送金」を仕事とするコミュニティ(=業界)のなかで便利に使われ、威力を発揮するようになるでしょう。そのうちにリップルを使う国際送金コミュニティとそうでないコミュニティとに分かれ、リップルを使うコミュニティは、リップルを使用することで得られる利益によって、結束を強固にすると思われます。

 

国内で通貨を扱う分にはあまり困りませんが、海外に送金するときの手数料というのは結構なものです。これが安くなるというのは大変素晴らしいです。

 

ネットバンクの登場でネットで開示されている送金手数料は安くなっていますが、世界に工場を展開する一部上場などは、メインバンクはやはりメガバンクのうちのどれかです。海外といってもアメリカや欧州のような送金インフラが整ったところばかりではありません。たとえばアフリカのモロッコと日本との間でお金を送らなければいけないこともあります。モロッコ現地法人が、コア部品を日本の本社から輸入し、モロッコで車を組み立て、スペインで売る……みたいな感じです。想像になりますが、日本の本社へ毎月数億円の支払いがあっても不思議でないでしょう。このとき、送金手数料の他に、中継銀行のリフティングチャージ・受け取り側の銀行の手数料・両替する場合はスプレッドが費用として存在します。(継続して送金することがわかっている場合、銀行が割引送金条件を提示してくれたりしますが…)

 

どの程度にリップルが使われるのか、それは各銀行のプロジェクト次第になりますが、実装されれば海外送金手数料がぐっと安くなる上に、送金インフラの信頼性が向上します。そうなれば、日本企業は海外進出がしやすくなるでしょう。

 

リップルとの提携企業は東京三菱UFJ銀行や米アメックスなどの大企業も名を連ねており、「送金コミュニティ」でリップル(とそのネットワーク)が活躍してくれそうな予感がしています。

 

特性を持ったアルトコインたち ETH、NEM、WAVE、BNP

 

プラットフォーム性を全面に打ち出したコインもあり、イーサリアム(ETH)がこれに当たります。スマートコントラクトと言う概念が導入されており、わたしの理解によると、コインのやり取りに「契約を盛り込める」というものです。契約書とコインが一体になった魔法のコインです。スポンサーの顔ぶれが豪華で、マイクロソフトインテルIBMトヨタなどが並んでいます。これらの大企業が仮想通貨を利用したサービスを展開するときには、イーサリアムはインフラコインとして機能することが期待されていそうです。またこれらの企業連合が、サービスで顧客の囲いこみをするときにイーサリアムをキーパーツとして使えば、簡単にその目的を達成できるでしょう。

 

他に、スタートアップ企業の資金調達を助けるのに最適と思われる、ネムNEM)やウェーブ(WAVE)といったコインもあります。

 

スタートアップ企業が資金調達に苦しむのは万国共通だと思います。最初に自分がお金を準備する他、直接出資者を募る、市場で株式・社債を販売する・融資を受ける・クラウドバンキングによって資金を集める……などの方法があります。しかし旧来型の資金調達はお金だけでなく、おまけがついてくるのが通常です。つまり経営やお金の使い道について制限を受けるのです。誰もタダでお金をくれる人なんていません。出資者はスタートアップが成功することで得る株式価格の上昇や配当、あるいは利息の支払いを期待しています。クラウドバンキングでさえ、リターンを求められます(この点で、リターンを求めず、募集者への信頼を疑似証券化してお金を集めるVALUというサービスは画期的でした)。

 

ネムやウェーブといったコインは、トークンを自由に発行する機能がついています(DEXと言うらしいです)。トークンを買ってもらうことで、株式上場に近い効果が期待できます。つまり、スタートアップはトークンを販売することで現金を得て、トークン購入者はトークン価格上昇による利益を期待でき、もしくはスタートアップが準備するトークンと引き換えにできるサービスを期待できることになります。
 

あるいはバンクエラ(BNP)のような配当型のコインも面白いかも知れません。コインには、購入者に提携取引所の利益を分配する機能をつけています(ちなみにイーサリアムベースのコインです)。ここまで行くとほぼ株式ですが、株式と異なる点は、「議決権がない」「配当が容易(提携取引所に口座があればいい)」という特徴があります。配当が容易だからこそ、毎月のようにコインの持ち分に応じたイーサリアム(ETH)が提供されているのだと考えています。

 

 

仮想通貨と”価値主義 ”のかかわり

 

佐藤航洋さんが著書「お金2.0」で、『価値主義』を提唱されました。

つまり、今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。

(中略)

可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。 

 

ざっくりとわたしの理解で説明すれば、資本主義ではお金にならないものは価値がなかったが、これから来ると思われる価値主義の世界では、今までお金に変わらなかった、直接は価値を持たなかったものも、ちゃんと評価される世界が来るよ、という話です。

 

佐藤航洋さんは、価値主義における価値の例として、ツイッターのフォロワー数。ソフトウェア会社における人材、データ。企業における働きやすさ、などを例にあげています。西野亮廣さんが「革命のファンファーレ」で提唱した、信用=お金だという「信用経済」も、価値主義に包括される概念だとわたしは考えています。

 

一般論ですが、人の価値観はそれぞれです。大体の傾向として世界の価値観は多様化しており、矛盾する価値観も同じ時間軸に同時に存在できるようになりました。それは社会が豊かになったという証拠でもありますが、ここで言いたいのは、インターネットという技術が、価値観の多様化を促進したということです。インターネットが地域的に離れているけれども同じ価値観をもった人たちをつなぎ合わせ、オンライン上でのコミュニティの成立を可能にしました。

 

同質の価値観を持った人たちが集まるコミュニティでは、コアになる特定の価値(共同幻想)が重要視される集団が形成されます。

 

例えば、あるアイドルやユーチューバーのファンクラブとか、アートが大好きな人たちの集まるサークルとか、地域おこしのために活動するNPOとか。

 

特定のコミュニティでの価値観を表現するために、独自の通貨があれば、コミュニティ特有の価値観をさらに強力に後押ししてくれることでしょう。その独自通貨を持つこと自体が構成員にとって価値であり、名誉ですらあり、独自通貨の保有がコミュニティへの帰属心を掻き立てます。その独自通貨に、仮想通貨を採用する。あるいは自分たちで作る、というのは面白い話だと思います。

 

 

 

 


本日も当ブログにお越しいただきありがとうございました。

 

やっぱり新しい概念の未来図を提案するのは難しいですね。

 

あげた具体例も最適というにはちょっと遠く、力不足を感じています。

 

まだまだ考え続けたいと思います。

 

 

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(履歴)

2017年12月31日 初出

2018年1月29日  Δ1版

 

検討中の「賃上げ&減税セット」、18年度に施行できる?

 

人材確保が厳しくなるなか、経営者が人材投資に前向きになっていると先週日経にて報道がありました(12月13日)。社長100人アンケートによれば、政府が求める3%の賃上げを検討する経営者は現状1割に留まったものの、6割が人材投資を増やすと回答したそうです。

 

景気の回復と人材不足が相まって、賃金の上昇局面が近づいているいえそうです。

 

政府の求める賃上げに応じる、という人はまだ少ないということですが、賃上げとセットになった減税策が具体化すれば、さらに流れは変わりそうです。

 

これも新聞報道ですが、与党提案で「賃上げ&減税セット」が検討されています。すごく簡単に言うと、賃上げした企業は法人税を安くしますよ、という内容です。政府与党が求める賃上げに、企業へのエサがくっついたかたちですね。

 

大手企業よりも中小企業に手厚い内容になっており、うまく行けば日本全体で賃上げが発生し、景気のさらなる高揚が期待できます。

 

「賃上げ&減税セット」

内容は下表。(12月13日 日経より) 

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来年18年度には適用したいというスケジュールだとのこと。

 

TV報道ではモリカケ問題が国民の関心事だと言われていますが、個人的にはこの「賃上げ&減税セット」が一番の重要ごと、なんですけどね…。モリカケ問題なぞで税制審議をする時間がなくなった、ということの無いように、野党とマスコミには切にお願いしたいところです。国会ではワイドショーネタを提供するだけでなく、きちんと本来の仕事をもらいたいのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます。

年収800万円以上ゾーンへの所得税UPと合わせると、年収100万円〜700万円ゾーンの所得底上げに政府与党ちからを入れていることがわかります。うまくいくといいですね。

 

 

 

【ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力 塩野七生】 (1/29追記)

 

1年待った塩野七生さんの新作、【ギリシア人の物語】の第三巻がAmazonから届きました。前回は書影がなかったので、今あげます。

 

ほいっ。

 

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目次

第一部 都市国家ギリシアの終焉

第二部 新しき力

第三部 ヘレニズム世界

十七歳の夏ーー読者に

 

 

 

ギリシア都市国家群を滅ぼした、マケドニアアレクサンダー大王にかなりの分量を当てていることが目次だけでわかります。(第二章の新しき力、のところ)

 

滅ぼされた者の『逆さ鏡』が、滅ぼした者、なのだということなのかな。

 

そして滅ぼされた後のギリシアが、どう残ったか、ということで第三部ヘレニズム世界、という構成なんでしょうね。

 

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(1/29追記)

本を読み終えて、自分が勘違いしていたということに気が付きました。アレクサンダーは征服者というイメージでしたけれど、ポリスは破壊せずに穏当な支配下に置きながら、ギリシア世界を制覇したという人物だったんですね。各ポリスの自治は認めているし、本人もヘロドトスを好む文化人だったということで、アレクサンダーはギリシア世界の体現者ということで選ばれているのですね。

 

大王の名に相応しい天賦の才能と、若さゆえに不安定さを両立させていたアレクサンダー大王。人類史の中で最高クラスの芸術品で、とてもセクシーですね。

 

そんなアレクサンダー大王について、塩野七生女史がインタビューに答えていたのでリンクご紹介しておきます。

 

www.bookbang.jp

 

ちなみに、鬼才岩明均ヒストリエは、アレクサンダー大王の書記官のエウメネスが主人公の漫画です。これも合わせて眺めると楽しいかも知れません。

愉快な若者・ご学友たちの集まりである、「アレクサンダー大王御一行様」の楽しそうな雰囲気と、歴史にには表れない不穏さが想像できます。しかし人間群像鮮やかな東征の様子が、塩野女史の本と合わせて再構成できそうですね。

 

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本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます。

幸い今日は金曜日。週末は本を読み耽る幸せ哉。

 

 

 

 

 

ギリシア人の物語Ⅲは、この本と一緒に買いました。

taftaftaf.hatenablog.com

 

 

水素スタンドの建設計画のニュース。透けて見えたトヨタの思惑

 

昨日の報道なのですが、水素スタンドを11社連合で建設推進する計画が出たそうです。トヨタ自動車やJXTGエネルギーなど11社は、2022年3月末までに水素ステーションを国内80箇所に共同で建設。これにより国内ステーション数は倍増の見通し。

 

トヨタの他にも、日産自動車やホンダ、出光興産、東京ガス岩谷産業豊田通商日本政策投資銀行などの11社が出資。来春にも共同出資会社を設立するそうです。

 

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水素は、燃料電池車(FCV)の燃料。FCVとは、水素を車で分解し電気にしてモーターで走る車です。

 

マツダと提携して内燃機関を確保する一方で、ミライ(MIRAI)など電気自動車(EV)の開発を進めているトヨタ。しかしながら、やはり本命は水素の燃料電池車(FCV)だと再認識させてくれる報道です。

 

なるほど世界レベルの大企業。全方位に気を配りながら独自路線も押し通す余裕がさすがです。

 

今年10月の東京モーターショーにも出展した水素で動くバスも2018年から発売を予定、グループ会社のトヨタ織機も水素で動くフォークリフトの販売を拡大するなど、まずは産業用からの普及を目指すということで、ごりごり来ています。

 

ちょうどテスラは新車の開発が遅れ、発売延期になったこの時期のこの動き。トヨタも黙って負けてはいないというところでしょうか。

 

とまれ、日本政府は30年までにFCVやEVなど次世代自動車が新車販売に占める割合を5〜7割に引き上げる計画とのことで、やはり内燃機関車から次世代の車へ切り替わっていく流れはとまらないようです。

 

 

やはりトヨタの本命はFCV


中国・欧州がEV化へ年次目標を示し、相次いでEV化へ舵を切るなか、トヨタが打ち出すFCVという独自路線。

 

なかなか熱いですね。FCVは水素を電気へ変換して走るので、EVと互換できる技術や機構が多い。もしFCVの時代が来なくても、EVにすぐに切り替えることができてリスクが少ないというところも、独自のFCV路線を推し進められる理由でしょう。

 

ところで、FCVとEV、燃料以外には何が違うの? というところですが、ユーザー視点から見た時に一番重要な違いは、燃料の「充填時間」が違いとしてあげられるでしょう。

 

EVは航続距離という弱点を克服しつつありますが、充電時間が長いという弱点があります。急速充電の技術の開発は進んでいますが、それでもやはり満タンにするまで30分〜1時間はかかる。技術的にはかなり進んでいるのですが、実際にEVを使う身になって考えてみれば、時間に余裕があるときばかりでなし、急ぎのときは困りそうですよね。

 

しかし、その点、水素なら水素をしゅーっと封入するだけなので、今までのガソリン車と同じような使い勝手が再現できます。なのにガソリン車とは違って排出するのは水のみ、完全クリーンです。

 

 

 

 

2匹めのどじょうならぬプリウスを狙っているトヨタ

 

突然ですが、トヨタの顔とも言えるハイブリッド車プリウス」が、今年何歳だかご存知でしょうか。

 

TV CMもしていたのでご存知の方も多いと思いますが、1997年に量産発売されたので、2017年の今年は20歳。発売当時は、「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで売られた未来感のあるハイブリット車ですが、いつの間にかもう立派な大人です。

 

当時ーー20世紀末のことですがーーモータリゼーションの進展とともに問題となかった公害事件を受けて、自動車メーカー各社は「エコでクリーン」な車を作る技術を競っていました。EVも当時からありましたが、航続距離が課題で実用化はまだまだ先、という結論になりました。ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド技術は、理論上では現実解のひとつでしたが、モーターとエンジンを同時ないし交互に駆動させる技術機構が極めて難しく、欧州では実現不可能として諦められました。その後、欧州はエコカーにはディーゼルエンジンを採用。だから欧州車はディーゼル車が多いんですね。

 

しかしトヨタはハイブリッド技術を諦めませんでした。そしてついにハイブリッド車の本命であるプリウスを発売。しかしすぐに売れたわけではありません。1997年に発売し、国内販売台数100万台に至ったのは、発売から10年以上たった2010年(*)でした。その後、7年でぎゅーんと伸びて500万台に乗る大ヒット。

 

ヒットまでの間は、日本はともかく世界市場からはハイブリッドはダメだと散々ディスられましたが、大きな事故もなく世間に受け入れられ、苦節10年を経てプリウスは大ヒット車となりました。

 

この成功体験をもう一度! というのが、トヨタの本音なんでしょうね。昔、ハイブリッド技術は非主流で劣勢の位置に居ました。今のFCVに重なると言えば、重なります。

 

自動車の技術変更は自動車業界だけでなく、日本の、いえ世界の産業構造に変化を与えるインパクトがあります。なので自動車の技術レースはとてもエキサイティングですね。どんな結果になるか、興味を持って見守っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございました。

未来は、覗こうと思ったひとにはその姿を見せてくれるものですね。

 

 

 

(*)部分は、日経トレンディ記事を参考しています。