この世はしょせん夢芝居

ネット的世界の端っこで考えたことを書き留めているだけのブログ。

note論争をまとめてみた

 

note(ノート)というウェブサービスをご存知でしょうか。ブログに近いのですが、でもブログとは一味違う使い方ができるサービスです。

 

note(ノート)は、文章、写真、イラスト、音楽、映像などを手軽に投稿できるクリエイターと読者をつなぐサービスです。ブログのような使い方も、SNSのように使うことも、 コンテンツを販売することも自在に活用いただけます。

note.mu

 

クリエイターが手軽にコンテンツ販売ができることが、note(ノート)の強みです。実際、コラムなどのテキスト、漫画、月刊マガジンなどのコンテンツがnoteでよく売られています。インフルエンサーさんたちがプッシュしているためか、創作物の評判も良いです。

このnoteのビジネスモデルですが、著作物を簡単に販売できることの他に、クリエイターの取り分が大きいことが特徴としてあげられます。

 

本の出版を例にしましょう。従来の出版ベースでは、本の作家の印税収入は、本の売上の10%前後だと言われます。

初版1万部が目安なので、仮に単価が1000円だとすると、本の売上は1000万円。

なので、作家に入る収入はその10%の100万円ほどになります。

新卒サラリーマンでも年収は300〜500万円なので、作家がサラリーマンと同じくらい稼ぐには、単純に計算しても、年間に3〜5冊ほど本を書かなければいけない計算になります。年間に3〜5冊書く作家は多作な方です。

 

一方noteでは、販売額の85%が作家の収入として入ります。すごいですね。

先程の例と同じく1部1000円で販売したとすると、1200部売ればクリエイターの収入は100万円になります。これで紙の本を1万部販売したのと同じ収入です。もし1万部売れたら、クリエイターの収入は850万円です。ものすごい違いですね。

noteのビジネスモデルだと、従来の出版と違って本作りに関わる人数が少なく、「中抜き」がほとんど発生しません。また、売る本も紙ではなく電子データで配布されるので、印刷コストも発生しません。

単純に言えば製造コストが低いので、その分、クリエイターへの還元率が高いわけですね。

 

 

従来の出版では、作家への支払いの他に、先述のように印刷費用、編集などの出版社のコスト、取次、本屋など流通の費用が売上より抜かれます。ただ、本は従来チャネルを通して全国に配送されますし、広告もうつので、部数が出やすいという利点があります。

 

・・・

 

noteのビジネスモデルと従来の出版ビジネスモデルは、新旧対立のような構造とも捉えられます。

 

しかし、この対立が問題になっていないのは、noteの販売力が極々小さかったからです。従来の出版のほうが売上は圧倒的に大きく、noteを使って出版物を買う人は圧倒的にマイノリティでした。

  

 

第二次noteブーム到来

 

 

 

しかし、この4月ぐらいから、noteの売上が伸びているという話が聞こえてきました。ゆっくりと出版モデルの転換が始まっていると考えることもできそうな、剣呑な気配が漂っています。

 

 

 

 

noteの位置付け

 

インフルエンサーのnote記事の販売単価が高すぎる! というよくわからない議論も起こったのですが、まあそれは市場に任せるということで、脇においておいて…

 

noteと従来の出版との関係性がどうなっていくのかでTwitter上で議論があったので、ツイートを追いかけてみました。

 

 

 

noteと出版は新旧の対立構造ではなく、棲み分けができるという考え方もあります。noteの購入層は、基本的にはクリエイターのファン層なので、noteはファン層へのリーチ、出版(本)は一般消費者へのリーチを受け持つ、という役割別の棲み分け論ですね。

noteはより「深く潜る縦方向」に強く、出版(本)は「浅く拾い横方向」に強いとも言い換えられると思います。役割が違うのであれば、noteと出版と両方で販売する手法もとれます。実際にそうしている漫画家さんもいらっしゃるみたいなので、有効な手なのでしょう。

ただ、今回のブームでは、インフルエンサーさん以外のnoteが売れたので話題になりました。主婦のyoshieさんのnoteや、図解屋の行武さんのnoteが売れているそうです…(下リンクあり)。

ファン以外の初見層にも売れているということは、noteビジネスモデルの広がりを意味します。これはnoteにとっては良い方向性だと言えるでしょう。ただ、売れているnoteが文章術などの「ノウハウもの」なので、まだ情報商材販売に近い感じもします。

きっと、note販売の広がりが、インフルエンサー以外のコラム、小説、漫画に広がってきたら、noteのムーブメントは本格的なものになった、と言えるのではないでしょうか。

 

 

note.mu

note.mu

(2つとも面白いし、とてもためになるnoteでした)

 

まとめ

 

・noteで売ると収益性が高い。クリエイターはチャンス。

・noteと従来の出版は対立構造に見えて、棲み分け可能。

・note商品が売れてきているけど、まだ絶対量は少ない。ジャンルも限定。

 

  

クリエイターにとって夢のあるnoteですが、本格的に一般消費者まで広がっていくにはまだ時間が必要そうです。販売の状況、数からすると、まだ新しもの好きのアーリーアダプターの世界だという感じがします。

 

しかし、”作家は食えない”のが常識になっているクリエイター逆風時代の現代に、noteのビジネスモデルは一石を投じてくれるはずです。そうなれば作家で生きる人が増えて、コンテンツが今よりもリッチになっていくと思うので、noteにはぜひ頑張ってもらいたいですね!

 

ところで。

noteと従来の出版業界が共存の道を歩むとしても、従来の出版業界の「中抜き」は、議論の対象になるでしょう。

インターネットで著者と読者が直接つながれるような現代だと、出版社に求められる役割も変わってきていると思うので、そういうところも積極的に議論が進むと良いですね。

たとえば、TwitterでのPRでも、作家と読者がつながってうまく回っているうちはいいけれども、いったん炎上すると作家が疲弊し、悪ければそこで創作活動を辞めてしまうことがあります。そういうときに作家を守り、Twitterのマネジメントをするのが出版社の役割になって来ているのではないでしょうか。そんな感じで前向きに議論が進むといいですね。

 編集者さんも本のクオリティをあげてくれる大切な存在だと思うので、そういう役割の見直しもあるといいですね。

 

 

 

 

 

 

そういうわけで、当ブログにお越しいただきありがとうございました。

noteは未来を感じて面白いです。