【月の満ち欠け】
佐藤正午さんが「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞されました!
昔からこの方の文章は好きなんですよ。なんだかしっとりとした手触りがあって、しかも艶があるんです。文章の評価の仕方としておかしいのかも知れませんが、でもそういう感じです。
でも佐藤正午さんの本を手にするのは「Y」か「ジャンプ」ぶり。もう10年以上前なんですね……。寡作な作家さんなのです。ご本人も1955年生まれということで、もう還暦過ぎての直木賞受賞ですよ。めでたいですね…!
今作の「月の満ち欠け」は流行りの生まれ変わりモノですが、生まれ変わる本人視点ではなく、周囲の視点から物語が描かれています。なので、単純な感動ものではなく、ひと味違った読後感が味わえると思います。生まれ変わりというのは、良いことばかりではなく、一種の呪いなのかも知れませんね。