この世はしょせん夢芝居

考えたこと、趣味の読書のことをメインに書いています。いわゆるチラ裏です。

競争相手とルールが大きく変わろうとしている「ガラガラポンの時代」

トヨタ自動車株主総会が先週14日にあったそうです。

 

総会で豊田社長は「予測できない時代。前例踏襲ではなく、スピードと前例無視で行動していく」と述べました。自動車業界には、自動運転・コネクティッド(つながる車)・シェアリング・EV(電気自動車)の ”4つの荒波” が押し寄せる。豊田社長はグーグルやアップルやアマゾンの社名を挙げて、「競争相手とルールが大きく変わろうとしている」とかたったそうです。

 

競争相手とルールが変わる」。トヨタは言わずと知れた世界有数の大企業ですけれど、時代の変化を鋭敏にとらえようとしている感じがすごいです。挙がった名前がフォルクスワーゲンや日産ではなくグーグルやアップルやアマゾンですよ。世界トップの企業なのに、油断なんてしていない感じがびんびんに伝わってきます。

 

自動車業界を襲う変化の中で、EV(電気自動車)は特にインパクトが大きいですね。エンジン自動車が無くなり(あるいは大きく減り)、電気自動車へ置き換わるわけです。もしEV(電気自動車)が本格普及すると、裾野の部品がガラッと変わります。エンジンがモータに置き換わり、ミッションは不要になるのです。代わりに電池、基材となるリチウムや化学技術が主役になります。産業構造が大きく変化することで、合わせて時代の意識が変化するはずです。

 

言ってみれば、「ガラガラポンの時代」がやってくるわけです。

 

あるデータによれば自動車業界の世界市場規模は55兆円/年ですから、自動車業界の産業構造の変化は、かなりの変化インパクトがあると予想しています。ちなみに、日本の国家予算は92兆円ですね。国家予算の半分以上の威力です。

 

 

まったく予想できない時代に突入するような感じですが、このような大変化は過去に例はないのでしょうか。

 

実は、あるのです。しかも結構最近にあります。自動車に比べれば規模は小さいものの、主力製品が市場ごと無くなってしまったという経験をしている企業があります。

 

それは、『富士フイルム』の事例です。

 

今では完全にデジカメに置き換わってしまいましたが、ほんの少し前まで、写真フィルムはきちんとした主力産業でした。2000年に写真フィルム市場はピークを迎えています。しかし、そこから年率20ー30%もの勢いで縮小。2010年にはピークの10%以下になり、フィルム業界のトップ企業であったコダック(米)が、その2年後の2012年に破産法の適用を申請しています。

 

家族の記録としてカメラは必ず一家に一台。フィルムもその頃には日常的に売れていました。富士フィルムも基礎研究にも投資し、化学分野での技術的優位性もきちんと確保。当時、フィルム事業は主力でした。ということはフィルムの売上げで開発部門や営業管理部門も含めた数万人の雇用を支えていたわけです。

 

それが一気にゼロになった。恐ろしいことです。この危機に富士フィルムはどう立ち向かったのか。

 

結果から言えば、富士フィルムは主力製品の市場消滅の難局を見事に乗り越えて、売上3兆弱の大企業としていまもなお存続しています。フィルム市場消滅の危機に経営者であった古森重隆氏が当時を語ったのがこの本です。

 

富士フィルムは持っていたビジネス資産を活かし、経営の多角化に成功することで、リーマンショックを乗り越えました。ほぼ第二の創業といっても良いくらいです。こんな大事業をさらっとやってしまっているところに、逆に凄みを感じますね……。

 

感じたのは、本当の危機は、奇策ひとつでは乗り越えられないのだなということです。危機に至るまでどれだけ真剣に成果を積んできたか。その成果の蓄積をどれだけ効率良く新しいビジネスに繋げられるか。言い換えれば、お金を生み出す仕組みにつなげることができるか。……言うのは簡単ですけれど、実行するのは至難ですね。結局 ”いつか来るその日” に備えて、地道に努力する道しか凡人には無いのかも知れません。

 

 

 

本日も当ブログにお越しいただきありがとうございます。

変化はチャンス、というふうにしたいものですね。

 

 

 

 ご参考。

taftaftaf.hatenablog.com