この世はしょせん夢芝居

考えたことをエッセイに書いてます。本の紹介もしています。目指しているのは「ゆるふわなチラ裏」。

終)騎士団長殺し (読書メモ&感想)

 

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

 

 読み終えましたー。

 

これで終わり? でもまあまあ面白かった。物語的な設問が重なっていく第1部のほうがいわゆる読者をつかむ力というものは強いです。第2部は当然解決編のわけですけれど、引っ張ってこの解答か……という気持ちは否定できず。やっぱり村上春樹さんは中編ぐらいが良くまとまっていて好きなんですけどねー。

 

以下はネタバレの読書メモ。

 

ーーーーーー キ リ ト リ ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 <まとめ>

 読み終わってまず思ったのは、「いろいろ問題は解決したけれど、まだ物語は終わっていない」ということです。本来は、「私」が自分と世界との関わりを知り、自分自身の画の描き方、世界の顕し方を改めて深く理解し体現することで物語が終わるはず。

 

ところで、この騎士団長殺しは「上下巻」の構成ではなく、「第1部、第2部」の構成になっています。だから、「第3部以降」があってもおかしくはないはずです。

 

そして、まだ謎が残っています。まず、プロローグの話が第2部を終えてもまったく消化されていません。そして「私」が地底の世界を抜けたことと、秋川まりえが助かった? ことの関連性もわかりません。

 

だから、第3部がないとおかしいし、あるべきなのでしょう(新潮社の公式サイトには第3部の情報は現時点ではまだ出ていない)。もし続刊があるなら、その続きまで読んでから感想を書かなければフェアではないと考えますので、総評はそのときまで持ち越します。

 

 

< 気になったところ 抜粋 >

 

 

・床に落として割れたら、それは卵だ

 

・エイハブ船長は鰯を追いかけるべきだったのかもしれない

 

「あとには作品だけが残されている」

「そう、作品の他ににはほとんど何も残されてはいない。おそらくそれが父の望んだことだ」

「きみも残されたもののひとつだよ」

「おれが?」

「たしかにそうだな。言われてみればそのとおりだ。このおれも父があとに残したもののひとつだ。あまり出来は良くないが」

「でも代わりはきかない」

「そのとおりだ。たとえ凡庸でも代わりはきかない」

 

「あなたにもそういう経験があるのですね?」

「もちろんあります」と免色は言って、小さく微笑んだ。「何度かあります」

 

・なぜ私はあの地底の世界を通り抜けなくてはならなかったのだろう?

 

・「絵が未完成だと、わたし自身がいつまでも未完成のままでいるみたいで素敵じゃない」

 

・「騎士団長はほんとうにいたんだよ」と私はそばでぐっすり眠っている”むろ”に向かって話しかけた。「きみはそれを信じた方がいい」