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穴を埋めた人たち

博多駅前に突如として空いた大穴に驚いた人は多いはずだ。海外の出来事か、CGによる悪戯かとしか思えないとても大げさな穴が、道路の真ん中に空いていた。しかもよくよくニュースを聞けば、穴の空いた場所は、押しも押されぬ繁華街であるという。

 

だがその穴はあっさりと埋め立てられてしまった。あるサイトによれば、穴崩壊から元に戻るまでの期間はほんの7日間であったという。セメントを混ぜた土を流し込み、30メートル四方のビルが丸ごと入りそうな穴が実に何気なく元通りになった。 

 

海外などではああいう大規模な災害があった場合、復旧に何年もかかるケースも珍しくない。復旧までの間、大穴エリアの周囲は閉鎖されてしまうため、ゴーストタウンができて街の賑わい方にまで影響が出ることがほとんどだ。街のイメージにとどまらず税収や治安にも影響し、最終的には街の人口そのものに深刻なダメージを与えることだってある。立ち入り禁止エリアができればその周囲の商店の売り上げが落ちる。閉店を余儀なくされる。より人が減る。人が減ると破壊行為を行う不届きものが出てきて、暴力行為を行う人がたむろするようになる。商業活動や生産活動が落ちるのだから税収が減る。危険で活動していない街からは人が出て行く。こんな理屈だ。

 

けれどそのような街への悪影響を出さずに、大穴は電光のような速さで復旧してしまった。災害大国日本の土木工事の経験値がフルに出たということなのかも知れない。

 

そう考えると、災害も悪いことばかりではない。ちょっとぐらいは良いことがある。試練によって人は育つ。

 

けれど今回、一番の功労者は、崩落前に交通規制を決断した行政担当者だろう。

 

あれほどの大崩落でありながら、人命に関わる事故も怪我人もなかったというのは、まさに不幸中の幸いだろう。天の配剤を疑ってしまうほどだ。

 

 

今回の出来事の教訓は、大災害に直面しても、予兆対応と復旧対応を最高レベルで行えば、不幸は回避できる……ということである。我がこととして自分の人生に当てはめて想像してみても、真似できる気がしない。博多マジすごい。カッコイイ。憧れるぅ!

 

問題が起こった時の対応で、対応する者の真価がわかる。今回のことは出来すぎていて、小説には向かないね。