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高齢者の運転と自動運転

逆境の中に勝機があるというのは、ある種の真実だと思う。逆境にあるということは問題が発生していることになる。そういう状況では、順調な時には取れない手段も取れることがよくある。逆境は現状を変えるための鍵だと言えるんじゃないだろうか。

 

高齢者が車の運転ミスで死亡事故を引き起こしたというニュースが最近多い。高齢社会となってしまった日本で、この種の事故は今後も増えていくだろう。どうやって解決したらいいか。痴呆症の老人には運転させるな、というのは簡単だけれど、動物は歳をとればどうしても肉体的に劣化していくものだし、判断力の衰えや痴呆の症状の端緒を正確に掴むのは難しい。何より、都市部は別として、車がなければ老人とて生きていけない現実もある。実務的な解決は規制ベースでは難しいだろう。

 

だけど幸いにしてこの問題を解決できそうな技術が実用間近になっている。自動運転の技術である。一部実用化しているこの技術は、まだ技術信頼性の確保と現行法との兼ね合いが付いていなくて問題が山積みだけれども、痴呆症の人の運転よりも安全性が高いように思える。運転能力を失いつつあるご老人の運転を減らすために、自動運転は絶好の解決策になるだろう。普通の状況なら、自動運転は安全の信頼性が問われて普及することは難しい。しかし、高齢者の運転が問題になっている今なら、自動運転は世間に受け入れてもらえるように思う。

 

自動運転は、障害者にも福音になる。例えば半身不随の人も、自動運転があれば最小限の補助だけで車で移動できるようになる。2020年のパラリンピックに向けて、非常に良いアピールになるだろう。

 

弱者に優しい社会というのは、豊かな社会のことだと思う。その豊かな社会が、新しい技術によってもたらされるのなら、人間の進化というのも馬鹿にしたものじゃない。